部門採算制度と社内SNS

こんばんわ 毎度毎度、勤務表書くのがめんどくさいなぁと思っている もくだいです。

なんで勤務表入力がめんどくさいんだ!

朝何時から働いて、何時から休憩取って、何時まで残業して。。。
そういうことを入力していきます。
そして、その時間の内訳を入力します。

たとえば、8時間勤務のうち、
3時間はAプロジェクトの作業、
4時間はBプロジェクトの作業、
1時間は内部管理作業、、、

表にするとこんな感じでしょうか 。

 Aプロジェクト  3時間
 Bプロジェクト  4時間
 その他、管理工数等  1時間
 合計  8時間

 

内訳ではなく、積み上げで計上している会社もあるでしょう。

 9:00  12:00  Bプロジェクト
 12:00  13:00  休憩
 13:00  17:00  Aプロジェクト
 17:00  18:00  管理工数等
合計  8時間

 

なんでこんな入力が必要なのか?

「私はどのプロジェクトに対して、どれだけの工数を使いました」という報告をしているわけです。
これは集計されて、「Aプロジェクトは社内リソース(=お金)をどれだけ使っているか」を測るデータとして使われます。

実際の売り上げに対して内部工数が多すぎれば赤字だし、少なければ黒字。

分かりやすいですね。

「コスト意識を持って仕事しろ!」

営業部門や製造部門、それぞれ案件に対して予算工数を考えて作業しなければならず効率化を図る必要があるでしょう。
これは現代の企業運営において必須の考え方となっています。
どの部署(プロジェクト)が工数がかかっているのか?残業になっているプロジェクトはどれか?
工数がかかっている部署(プロジェクト)つまり不採算部門には、なにかテコ入れをしなければならないでしょう。

逆にどの部署は予算内で効率よく仕事をしているか?→まだ余力があるか?→暇そうにしている部署はないか?
サボってる人をみつける、暇そうな人をみつける というと聞こえは悪いですが、

朝会社にきて、新聞広げて端から端まで全部読む、すべての新聞読み終わることには夕方になってるので帰る

なんてひとがいたらリストラ対象でしょう^^;

効率よく仕事ができているか?を測る指標のひとつとして工数管理をする必要があるんですね

 

部門別採算制度のために工数管理しているんです。

「中小企業でも組織を細かく分け、社長のように経営視点を持ったリーダーを配置し、部門ごとの採算をみることが必要です。」
という経営コンサルタントもいます。
間違ってないと思います。
実際に日本の高度成長はこれら(ほかにもたくさん)の業務システムの元で成長してきたのです。

部門別採算

部門ごとに予算配分して、競争しているんですね。

 

競争が進むとどうなるか?

組織間での無駄な競争

製造部門は
「あそこの部署のひとは時間がありそうだ。ちょっと手助けしてよ。ウチの部署の予算で作業してほしい」
「エースの技術者が作業してくれたら、内部工数半分で済むのに、2番手に頼んだから75%になった。内部利益が下がってしまった!」
「営業が取ってくる案件は赤字確定・炎上確定な案件ばかりだ内部工数がかさんで仕方がない」

 

営業部門は
「1,000万で取ってきた案件なのに、あそこの部門に依頼したら社内工数2,000万でカットオーバーしてしまった!赤字じゃないか」
「最近Facebookで知り合ったお客さんは、隣の営業部のエリアだ。でも絶対に俺が行けば受注できそうなんだ!」

あれれ?なんだか不穏な空気です。足の引っ張り合いになってませんか?

結果、部署ごとの足の引っ張り合い、情報の秘匿・出し渋り、ノウハウが共有されない。。。様々な弊害が出てきました。
とある巨大企業では部署間やグループ会社間で同じ案件にライバルとして入札するなんてこともしばしば発生しています。
グループ会社間で、似たようなソリューションを別々に開発している。なんてとても非効率なことも起きているそうです(笑)

 

情報共有!ナレッジマネジメント!

インターネットの発達により、今までは紙で処理してきたいろんなことが電子化され、業務効率化が勧められました。

  • 提案書や見積り書フォーマットなどが共通化
  • CRMの導入で顧客情報の見える化
  • Web会議やチャットで迅速な連絡、意思決定が可能に
  • セキュリティソフトをしっかり導入して、ノートパソコンやモバイル端末を使って社外でも、いつでもどこでも仕事が出来る
  • ポータルサイトを構築して、上意下達な情報伝達が迅速に行えるように
  • タブレット端末の導入で電子カタログでプレゼン、その場で見積り提案が可能に

いいことづくめです。
IT化を推し進めてきてよかった!

個人成績も見える化できてきた、やはりエース社員がすごいので、エース社員の量産化が必要だ!
エース社員の持ってる情報やノウハウをすべての社員が共有できたら売上倍増だ!

LINEやTwitter、Facebookが流行ってる。
口コミで商品が売れたり、たくさんの情報が共有されている。これはぜひ自社でも導入したい!
しかし、顧客情報などの流出は困る。気軽に質問したり、回答できる場所を社内限定にできないか?

そうだ!社内SNS導入だ!

 

ちょっと待ってください。

社員間の情報交流を促進したいですって?
今まで散々、部署間の競争をあおってきたのにですか?
ライバルを蹴落としてでも売り上げ向上をさせるような仕組みを今後も採用していくのにですか?

それはムシが良すぎますよ^^;

社内ソーシャルは導入するだけでは社員間の交流は生まれません。
運がよければ、「大好きな我が家のネコの自慢画像」や、「今日食べたランチが美味しかった情報」は共有されるかもしれません。
ですが部門間の競争を維持したまま、自部門に有利な情報を共有することは誰もしないでしょう。
悪くすると陰口を書き込むだけの、にちゃんねる状態になるかもしれません。

ノウハウの共有をする土壌・風土が社内にないのに、ソフトウェアだけ導入してうまく行くでしょうか?

基礎工事をしっかりしていない土地に家を建てても大丈夫ですか?
最初はその家に住めるかもしれません。
でも、基礎がおろそかになっているので、途中できっと傾きます。
少しの地震や台風で柱が折れたり、雨漏りするでしょう。

目的は社員全員としっかり共有できていますか?

社内ソーシャル利用の目的設定にもよりますが、
「社員同士の交流から、新しいビジネスアイデアを創出する」なんて目標を掲げるのであれば、まずは社内風土の変革から着手した方がよいでしょう。
まずは社内風土の変革のためと割り切って社内SNSを導入するのであればよいかもしれません。
ただしその場合、売り上げ向上は二の次、むしろ無駄話が増えて効率が落ちるかもしれないことを覚悟する必要があると思います。

あるエンタープライズソーシャルのコンサルティングの方のスライドに

1.突然使われるものではない
2.WIIFM 「一体それは、私にとって、何の役に立つの?」
3.利用する目的と価値の理解

とありました。
利用者がきちんとシステムの目的を、上司から押し付けられたのではなく、
むしろ「これを使えば自分のためになる」たとえば、売り上げが上がって給与アップなど積極的に利用をするべきだと考えることが必要です。
このマインドチェンジは上司や組織からいくら説明を受けても、なかなか出来ることではありません。
だって、遊びに使えちゃいます。使わなくたって今まで通り仕事はこなせますから(笑)

 

なぜ社内SNSを利用するのか?

経営企画などの導入部門だけが考えるのではなく、社長以下、社員全員に「このシステムの利用目的」がしっかり腹に落ちるような風土があれば、どんなシステムでも有効活用できるでしょう。
なんなら、LINEやFacebookのクローズドグループでの運用でも問題ないはずです。

 

勤務表や経費精算するのがめんどくさいというぐうたらな考えから、社内SNSの話題まで理論が飛躍してしまうほど、
絵も書きながら、3時間もかけて投稿してる暇があったら、勤務表や経費精算は作成出来るんじゃないかというお話でした。